Serafino G2
セラフィーノ
伝統的なクラフトマンシップ、
最新の音響工学が融合した結晶体
コンセプト
最新世代となる”Homage”は偉大な弦楽器製作者をオマージュしながら、これまで同社が永年培ってきた伝統と本機のために開発された革新的な技術が惜しみなく注ぎ込まれた、同社の最新世代のスピーカーとなります。全てが熟練職人によって丁寧に手作業にて製作され、同社のアイデンティティともいえるナチュラルで艶やかなサウンドは更なる進化を遂げています。
キャビネット側面は 同社の上位モデルで採用されているプライウッド構造を継承。
厚みの違うシート状の木材を木目の角度を交互に90度変えて8層に積層させ、プレス機で加圧しながら美しくも強靭さを兼ね備えた曲面を造形しています。更に側板の突板同士の接合部にはクリア・メイプルをダンピング素材として挟み込み使用しています。ラインを施したような印象的なデザインアクセントを持たせながら、異種木材の組み合わせによって木の響きを活かしつつ不要振動を排除するソナス・ファベールならではの木工加工技術がふんだんに盛り込まれています。
バスレフ
バスレフポートのダクトに適度なダンプをかけ、ポートのチューニングを施すことで低域をコントロールし再生レンジの拡大を図る “Stealth Ultraflex”(ステルス・ウルトラフレックス)機構を継承。
アルミニウム押し出し成形により作られた堅牢なリアポート構造は、歪の原因ともなってしまうポートから排出される気流の乱れを波状のポート出口構造で最適化しノイズを極限まで抑制することで、低域の再現性をより向上させます。
制振技術
天然木によるキャビネットに、アルマイト処理とラウンド・エッジ処理を施したCNC加工アルミニウムプレートをキャビネットの上下に取り付け、挟み込む独自構造「エキソ・スケルトン・クランプ」。
キャビネットをダンピングさせ振動成分を抑制するとともに、天然木ならではの豊かな鳴りと適度に引き締まった低域域の再生を実現します。同社ならではの美しい木製キャビネットの音響特性を引き出すため、悪影響を及ぼす床面からの不要な共振や振動成分をキャビネットに滞留させず、接地面に効率的に逃がすことで、淀みのないナチュラルな音楽を奏でることができます。
床面からの振動伝播とキャビネット全体をデカップリングする手法として、同社による近年の優れた研究成果である“Z.V.T.”(ゼロ・ヴァイブレーション・トランスミッション)テクノロジーを踏襲しています。“Serafino G2”では、金属でエラストマー樹脂を挟み込む“サイレントスパイク”を搭載しています。
Intono Technology
同社の最新テクノロジーであり、「Intono」はラテン語で「イントネーション(調音)」を意味します。
「イントノ・テクノロジー」 は、ミッドレンジ、及びツィーターのチェンバーを密閉型とし、特殊な加工を施しながら厳選した吸音材の選定と配置をする事で、内部のインピーダンス・ピークは大幅に減少しドライバーは効率的に駆動します。チェンバーと吸音材の最適な配置により、クロスオーバー・ネットワークに使用するパーツをシンプルにする事が可能になり、中高域の余分な着色のない純度の高い再生を実現します。
高域
28mm径アローポイントDAD搭載シルク・ソフトドーム・ツィーター。
強靭なアルミニウム・ダイキャストのフレームに搭載されたソフトドーム・ツィーターの頂点を部分的にダンピングさせ、ダイアフラムの逆相挙動を抑制します。高域の透明感、伸びやかさをより発揮させる独自の「DAD(Damped Apex Dome)テクノロジー」。
また、ツイーター背面には、同社のフラッグシップ・モデル“AidaⅡ”にも採用された専用の木製チェンバーを搭載。ドライバー駆動時に発生する気流を制御し、レーザーエッチング加工による複雑な音響迷路を形成する内部構造により、透明でありながら力感のある、高純度な高域再生に寄与しています。ドライバー部は本機のための専用新設計。高域の伸びやかさ、放射性、透明感の更なる向上と自然で理想的なバランスを追求しています。
中域
セルロース・パルプ、カポック、ケナフなどの天然繊維を調合し自然乾燥させた独自ダイアフラム150mm径ペーパーコーン。強力なネオジム・マグネットが、銅クラッド・アルミニウム巻線(CCAW)で構成されたムービングコイルを高速且つ最短で正確な応答を実現。スパイダーには高耐久なBIMAX特殊素材を使用、バスケットは強靭なアルミニウム・ダイキャスト・フレームにより、理想的なハイスピード駆動と高いコントロール性を兼ね備えた事で、淀みのないナチュラルなサウンドを提供します。
本機のために開発した全く新しいフェーズプラグは、ユニットが駆動する事で発生する気流を最適化し、乱れる事なくリスニングポイントへ一貫した波形パターンの伝搬を可能とします。その結果、軸上と軸外の双方で、スムースな周波数応答が得られた事で、より高いレベルの明瞭さを獲得。サウンドの根幹を担う中域において真にナチュラルで空間を包み込む、これまでに無い音場再生を実現します。
低域
180mm 径のウーファーのダイアフラムには、自然乾燥させたセルロース・パルプシート2枚の間にシンタクティック・フォームを挟み込む構造、軽量で高い応答性かつ高剛性を実現し重厚かつ引き締まった低域を再現。特に中・高域との音色のつながりに配慮した設計としています。
ダンパーは高耐久なBIMAX特殊素材で、バスケットは強靭なアルミニウム・ダイキャスト・フレーム。強力なネオジムモーター・ドライバーと、Amati G5と共通のABS樹脂で構成されたセンターキャップ、軽量CCAWムービングコイルが合わさり、非常に低い周波数帯であっても正確な振幅を実現し、筐体サイズを超える低域再生を可能とします。
ネットワーク
クロスオーバー・ネットワークの徹底的なこだわりと研究は、同社の創業当時から続くスピーカーの設計において非常に重要な要素です。
回路は “アイーダⅡ”にも採用されている「PARACROSS TOPOLOGY™(パラクロス・トポロジー(位相幾何学))」と、新たに開発した「Interactive Fusion Filtering(インタラクティブ・フュージョン・フィルタリング)」に基づく設計となっています。
各ドライバー・ユニットの振幅 / 位相特性、空間 / 時間特性を最適化する一方、低周波数のインピーダンスを最適に制御してアンプとのマッチングに配慮しています。また高周波干渉を抑え、トランジェント特性を改善させることで、本機のポテンシャルを存分に発揮させることができます。
搭載するパーツも厳選された物を採用。Jantzen社製インダクター、Clality Cap社とのカスタムメイドパーツ、MUNDORF社製高品位パーツを、幾度もリスニングテストを重ね厳選しています。
仕上げ
フラッグシップモデル”AidaⅡ”にも採用されている「Wenge(ウェンゲ/グロス・フィニッシュ)」、「Red(レッド/グロス・フィニッシュ)」以外に、新たに「Graphite(グラファイト/グロス・フィニッシュ)」が追加。
下記画像:左から Wenge(ウェンゲ) / Red(レッド) / Graphite(グラファイト)
デザイン
キャビネットやドライバー・ユニットの設計から組み上げに至るほとんどの作業を、北イタリアの自社工場にて行なっています。スピーカーを素材のレベルから知り尽くした熟練職人による丁寧なものづくり。
そのクラフトマンシップこそは、ソナス・ファベールの大いなる誇りです。
スペック
・形式
3.5ウェイ 4スピーカー バスレフ方式フロアスタンド型スピーカー
・使用ドライバーユニット
高域:28mm アローポイントDAD シルク・ソフトドーム型
中域:150mm ダンピング・フェーズプラグ搭載コーン型(ナチュラル・ファブリック)
低域:180mm コーン型 × 2(セルロース / シンタクチックフォーム・サンドウィッチ構造)
・クロスオーバー周波数
200Hz / 250Hz / 2,400Hz
・周波数特性
30~35,000Hz (ステルス・ウルトラフレックス含む)
・出力音圧レベル
90dB SPL (2.83V/1 m)
・公称インピーダンス
4Ω
・スピーカー端子
バイワイヤリング対応(HIGH / LOW)
・寸法
幅396mm×奥行489mm×高さ1094mm(本体部、突起部含む)
・重量(1本)
48.5kg