Serafino Tradition

新たな・オマージュ"の開発にあたって、いにしえの楽器職人の歴史をたどりなおす過程で、ソナス・ファベールがあらためて注目したのはサント・セラフィーノ。
18世紀前半にヴェネチアで活動し、ニコロ・アマティの工房で腕を磨いたと言われますが、その名は知られていても、未だ謎の多い巨匠です。新たなオマージュ”では、堅牢にして繊細なセラフィーノのヴァイオリンをモチーフに、パワーとデリカシーを併せ持つフロアスタンディング型システムを用意しました。

共振の制御に有利なリュート型キャビネット、キャビネット内の空気流を精密に制御して高精度な低域再生を実現する“ステルス・ウルトラフレックス"とともに、アルミニウム押し出し成型による堅牢なリアポート構造が、アルミニウム天板・底板によってキャビネット全体を挟み込む“エキソスケルトン”構造の一部としても機能します。
さらに床面と本体のアイソレーションを徹底するため、金属でエラストマー樹脂を挟み込み込んだ”サイレントスパイク”を採用、振動要素の完璧な排除と制御を実現しています。絶対的な静謐の中から立ち上がる、あざやかな音像、一点の濁りもなく透明な楽音に、ソナスファベールがたどりついた次元の高さを実感していただけることでしょう。

ドライバー・ユニットはいずれも”イル・クレモネーゼ”に採用した技術を搭載したカスタムメイド。高域は28mm口径"アローポイントDAD" シルクドーム。
頂点をダンピングした”アローポイントDAD”設計としています。中・低域はセルロース・パルプなどをブレンドした自然素材のダイアフラムを備えた150mm 口径。
さらにサンドウィッチ構造ダイアフラム採用の180mm 口径ウーファー2基を搭載。壮大なスケールの音場とダイナミズムあふれる音楽表現を現実のものとしています。

オマージュ・トラディションが実現する、高速で透明感にあふれた、音楽性豊かなパフォーマンス。その鍵を握っているのがクロスオーバー回路。
”オマージュ・トラディション”では、近年の大型モデルを通じて改良を重ねた”パラクロス・トポロジー”に基づくクロスオーバーを搭載。セミバランス構成としたこの3次ハイパス回路により各ドライバー・ユニットの位相を最適化する事が可能になった結果、キャビネットを傾斜せずに設置できるようになりました。
また、回路部品は、モデル毎に資料を繰り返して厳選されており、ドイツ ムンドルフ社の「EVO」最新世代のキャパシター、ジャンセン社製インダクターなど、オーディオ用の最高級品を使用しています。

Wenge（ウェンゲ / グロス・フィニッシュ）
”オマージュ・トラディション”で新たに採用されたアフリカ産広葉樹ウェンゲ材によるフィニッシュで、メイプル材インレイを施しています。天板アルミニウム・フレーム、リアの”ステルス・ウルトラフレックス”ポート部は癌メタル仕上げ、フロントバッフルをカバーするレザーをコーヒーブラウンの仕様となっています。

Red（レッド / グロス・フィニッシュ）
ソナス・ファベール伝統のウォルナット材レッド・フィニッシュと、ブラックレザーのコンビネーション、天板アルミニウム・フレーム、リアの”ステルス・ウルトラフレックス”ポート部アルミニウムもブラック仕上げとしました。